2010年12月14日火曜日

無事帰国&COP16の成果について

 虫博士です。

 代表団3名は無事帰国しました。長いフライト後に再開した日常、時差にまだ体が追いついていませんが…。

 昨年のCOP15は終了直後には「失敗だった」と失望も広げました。最終盤に日本、アメリカ、EU諸国、中国、インドといった主要国首脳による非公式な話し合いの内容をもとに作られた「コペンハーゲン合意」はその十分とは言えない内容と、作られかたへの批判もあり全会一致の承認は得られず、全体会合で採択されたのは「コペンハーゲン合意に留意する」という強制力も持たないものだったからです。
 しかしCOP16では全会一致で合意書を採択。その内容も重要な前進を含んでいます。
 環サミ代表団をその一員としてCOPに参加させてくれたCASA(地球環境と大気汚染を考える全国市民会議)の声明から引用します。なお冒頭の「CMP」は、京都議定書の締約国会議のことです。

***引用ここから***
 CMP 決定は、京都議定書の第2約束期間を前提に、先進国の削減目標を京都議定書の第1と第2約束期間との間に空白を生じさせないように決めなければならないとしている。
  COP 決定は、この決定は将来の合意が法的拘束力を持つことを予断させるものではないとしながら、平均気温の上昇を2℃未満にすべきことを認識し、世界全体の排出量を可能な限り早くピークアウトし、2050年までに大幅な削減が必要とされている。
 そして、アメリカ、中国などを含めて、各国がコペンハーゲン合意に書き込んだ目標を補助機関の決定に書き込むことになった。
 COP17 での合意が法的拘束力あるものになるかどうかは今後の交渉に委ねられ、ピークアウトの時期も明記されず、2050 年の削減量が書かれていないなどの不十分な点はあるが、これらの決定はCOP17に向け重要な足がかりになると評価してよい。
 また、コペンハーゲンで失われた多国間交渉への信頼が回復し、途上国と先進国との間の信頼関係が修復されたことは、今後の交渉に明るさをもたらすものである。
***引用ここまで***

 日本政府や財界へのこれからの働きかけとそのために世論をどれだけ大きく広げられるかが、世界の未来を決めることになりそうです!環サミの運動を広げることが重要です。

2010年12月11日土曜日

菅の京都の神隠し?

 ちへいコップです。気になる記事が取り上げられていました。
 国際NGO「CAN」のフリーペーパーに、ファイナンシャル・タイムスの記事が掲載されていました。そこでは「千と千尋の神隠し」の画像に菅総理の顔をくっつけ「菅総理は京都議定書を洗い流そうとしている(要約)」と主張した広告記事(NGO「Avaaz」と「tcktcktck」が主体に作成)を掲載し、その紹介がされていました。京都議定書第2約束期間に頑固に反対し続ける日本の姿勢を皮肉った記事でした。今会議での日本の姿勢は世界から非難を浴びています。
朝日新聞記事(画像あり)表示できなかったらごめんなさい。
http://www.asahi.com/international/update/1211/TKY201012110115.html

バス待ちの間に

 どうもちへいコップです。星空がきれいです。

 朝は疲れて寝過ごしました。
 バス待ちの間、COP16会場に向かう専用バスのバス停の案内の仕事をしている女性と話しました(英語で!)。この方はCOPの間だけこの仕事をしており、本職はデザイナー。自己紹介やそれぞれのやっていることについて話しました。途中でトヨタ自動車の話になり、トヨタの技術力はすごいと話していました。ぼくや虫博士がトヨタが工場の排出量削減に後ろ向きなこと、テスト走行コースのための森林伐採の問題などを英語で話しましたが、なかなか十分に話せませんでした。
 海外では、日本の経済界が温室効果ガス削減に猛反対して政府を動かしている事実はほとんど知られていないと思うので、日本の問題を世界に提示していくことができたらすばらしいのではないかと感じました。大学時代で今一番英語を勉強しているかもしれません(笑)

 午後はセントロ(カンクン中心街)を歩きました。地元のデパートやショッピングセンターに行きました。高級ホテルの近くだったこともあり大きい建物でした。スーパーマーケットの商品はどれもアメリカンサイズでした。カートもレジもアメリカンサイズ、レジには実に幅60センチは超えようかというベルトコンベアが。

 その後、COP16の公式イベント会場である、「Climate Change Village」に行きました。企業ブースの集まる建物や、子ども向けの環境問題の科学展やメキシコの紹介パビリオンがありました。後に詳しく報告します。

12月9日の各国首脳の発言

 COP16派遣団のルクセンブルク(H.M)です。
 昨日の各国首脳発言のなかでのソロモン諸島の環境大臣の発言が印象に残ったので紹介します。
 ソロモンの環境大臣は「私たちは地球温暖化解決する道徳的な義務を負っている」「私たちの自己中心的な考えで議論を進めてはいけない」「子どもたちの声に に耳を傾けなければなりません」「私たちは歴史的責任を負っています。そしてカンクンで成果が出せます。」と力強く発言していました。
 まさに日本は京都議定書第2約束期間に賛同せず、自己中心的に議論を進め世界の合意を邪魔しているとしか思えません。

 ソロモン諸島は千葉県より少し大きな国です。他にもマルタなど小さな国が少しでも合意に向け議論を前に進めようとしているなかで、日本政府の発言はとても恥ずかしかったです。

2010年12月10日金曜日

Via Campesina

「虫博士」よりビア・カンペシーナ(農民の道)のフォーラムについて詳報です。

ビア・カンペシーナは国際的な農業者・農民の運動団体。日本からは「農民連」(農民運動全国連合会)が正式に参加しています。
農業や農業者の暮らしを守れ、ということを基本にすえて、温暖化問題では「小規模家族農業と食糧主権こそ地球温暖化の解決策」と提言し、行動しています。(詳しいことはぜひ「農民連」のサイトを読んでください!農業問題は各国ごとにさまざまであることも手伝って、短く説明しようとしても長くなってしまう…)
南米で生まれたビア・カンペシーナには、現在はアジア、オセアニア、ヨーロッパ、北アメリカを含む各国から農民と農民の運動体が参加。今回メキシコは「本拠地」であることもあり、単独で「キャンプ」をはっています。コペンハーゲンの時には「Clima forum」という、国連未登録のNGOの集まりに参加していましたが、なにしろ今回は人数も規模も文字通り桁違い。

バスケットゴールや運動場の巨大な空間を借り切って、フォーラムのない間はステージ上では常に爆音でラテンなバンドたちがかわるがわる演奏していて、お祭りのようです。
ステージの反対側の天幕の下では、手染めやプリントのTシャツや手作りアクセサリーや音楽CDも売られています。やっぱりお祭りみたいです。

会場内にはマルクスがVサインをしている絵の入ったポスターがあったり、一本の木と一頭のチョウが描かれたCOP16の公式マークの、木の葉を紙幣に、チョウを髑髏に描き替えた過激な皮肉の横断幕があったり、その他たくさんの主張を持った紙が張られています。共通するのは「気候変動や炭素を商売の道具にするな!」ということのようでした。

わたしたちが到着した12月7日には大規模なパレードも行ったそうです。
今日の目玉企画は、ビア・カンペシーナの創立者の一人でもあるボリビア大統領(!)モラレス氏の参加するフォーラム。アメリカやオーストラリアからの参加者も発言していたのが印象的でした(残念ながら発言のほとんどがスペイン語だったこともあり、内容は把握しきれませんでした…)

モラレス氏はなんとたちっぱなしで1時間以上公演。会場に呼びかけるたびに歓声が上がり、旗が振られ、あるいは楽器が鳴り出します。「キャピタリスモ」と いう言葉がたくさん出てきました。温暖化でも農業や農民の暮らしでも、なによりも儲けが最優先されるという資本主義のシステムそのものが害悪をもたらしているということのようでした。同時に「ソーシャリスモ」という言葉も聞かれました。ベネズエラのチャベス大統領なども新しい社会主義、という言葉を使いますが、南米では民主主義をより進めた、誰もが豊かになる新たな社会への模索が強まっていることを実感しました。

集まっている人はみんな陽気で、運動の大変さはあるのに深刻さはこの場では感じられません。未来に向けて希望と期待をしっかり持っている人たちの集まりでした。

カンペシーナ集会に参加したボリビア大統領と人々

この投稿は、同行している公害地球懇の方が寄稿してくれました!

12月9日、農民連の方からの連絡でラビアカンペシーナ(農民の道)集会に参加する。バスを乗りついでキンタナ・ルー州庁の会場に行く。ラテン音楽と演説調の大声が聞こえる会場に入る。
やがて、アナウンスがあって、モラレス・ボリビア大統領が壇上の上の中心に座る。彼は外国のメキシコにいるがすごい人気である。彼はボリビアの農民出身大統領であるので特別だ。VIPに対する警察の護衛がないのも不思議だ。彼を迎えて世界の代表が自己主張をしている。英語のスピーチはすべて逐次スペイン語に訳している。日本代表は2人の農民連の代表の方が紹介されて、日本語で挨拶した。司会進行役も長々と演説している。会場に「シー」(イエス)と言わせながら、会場をひとつにして進めた。やっと、モラレス大統領にマイクが回った。彼は原稿を持たないで1時間演説した。
演説の内容は詳細にわからないが、二つの特徴があった。ひとつは、カピタリスモ(capitalism)の言葉が10回以上出てきた。新自由主義、帝国主義の言葉も出てきた。後段に、ソシアリスモ(socialism)も10回ぐらい出てくる。また、レボルシオン(revolution)も使われる。つまり、資本主義がラテナンアメリカ農民、小作人を苦しめていると訴えている。日本では現在あまり使われていない用語である。二つめは、南米、南アジアの用語から、中南米の諸国の名前が次々出てくる。ラテンアメリカは共通の祖先を持ち、スペインに征服され、スペイン語、カトリック経という共通の歴史、文化を有している特別の大陸である。モラレスはもはや外国の大統領ではなくて、中南米農民の指導者として親しく扱われているのだ。
演説中に冷たい雨が横殴りに会場に入ってくるが、熱気で体を暖めている。演説の前に降っていた小雨は、カメラに収まらない大きな二重の虹となった。カンクン歓迎の虹に見えた。演説集会閉会後、農民連の方たちに会える。記念写真を撮ったが、カンペシーナの人が撮影の中に入ってくる。きわめて友好的だ。その後、参加者に無料の食事が提供されている会場に案内された。腹いっぱいに食べた。この大きなテントの会場には寝袋で寝ている参加者もいる。今日は疲れたが、楽しい日であった。(イタリアーノ)

日本政府の発言聞いてきたお

ただいまメキシコ時間12でございます。現在会議場で各国首脳のスピーチをやっており日本を代表して松本環境大臣が発言しましたので、報告いたします。ちなみに日本語発言でした。

29日に経産省の有馬さんが発言して大非難を浴びて化石賞を受賞したのは記憶に新しいと思いますが、今日の環境大臣の話も中身はまったく変わらないひどいものでした。「すべての主要国が加わった実効性のある枠組みをつくる必要がある」「その枠組みを前提として日本の25%削減目標は実行される」と削減に積極的でない発言。「京都議定書では世界のCO2排出規制は27%しかカバーしきれない。だから京都議定書第2約束機関には賛成できない」と会議の日程はあと2日にも関わらず「全世界の参加する枠組み以外は認めない」という態度に固執し、交渉を遅らせる発言。
さらに「京都議定書はカンクン以降でも議論される」とカンクンで合意をつくろうとする各国の取り組みに逆行する立場をとり続けています。各国政府が温暖化政策についての決意を語り、会議終盤でなんとか合意を勝ち取ろうとしている流れの中での日本の発言はまさに異常としか言いようが無く、世界中から非難を浴びることは間違いありません(すでにアイルランド代表の発言の中で批判されていました)。

いったいどうしてこうなったのか。 その背景に政府が財界言いなりで温暖化政策を進めているということが決定的な理由になっています。先日の経団連イベントで経済界が温暖化政策にきわめて後ろ向きであることを感じました。財界言いなり菅政権がいかに世界の中異常な状態になっているのか感じた発言でした。

2010年12月9日木曜日

経団連イベントに参加

ちへいコップです。現地時間0時です。眠いです。

午後に経団連のシンポジウムに参加してきました。シンポジウムでは案の条というか、日本政府が2日目に大批判を浴びた京都議定書延長反対論とほぼ同じ発言 がされていました。後半には大学教授からの発言がありましたが、経団連の主張を肯定しようとする話やデータが連発。日本政府は今日も化石賞を受賞しました が、政府の主張の発信源がどこにあるのかはっきりしたイベントになりました。

その中で印象に残ったのがザンビアの方の質問でした。ザンビアでは実際に温暖化で亡くなった国民の数を挙げて(正確な数は覚えられませんでしたが)数多く の国民が温暖化のせいで亡くなっており、温暖化対策に取り組む金や技術があるのに取り組もうとしない日本と経団連の姿勢は、もはやジェノサイド(虐殺行為)である、と怒りをあらわにしていました。温暖化は先進国以上に途上国が大きな被害を受けること、そして先進国が温暖化対策に取り組むことが国際的責任 であることをあらためて認識させられました。

怒りながらも冷静に、しかし強く経団連や学者たちに質問し、訴えるザンビアの方。

ツバルの代表発言

COP16代表団のルクセンブルク(H.M)です。
今日は朝にNGO登録をして各国首脳の発言を聞きました。
なかでもツバルの代表発言が印象に残りました。
ツバルは小さい島国で、温暖化の影響で海面上昇が進み、実際に高波などで被害が出ています。
ツバルの発言は「ツバルには力に限界がある」、「気候変動はもっとも深刻な問題だ」、「ツバルには時間が無い」と強く訴えていました。被害がすでに出ている国だからこそ、とても深刻さが伝わってきました。
一方、世界が少しずつ合意を進めようとしているなか、日本政府は京都議定書延長について反対の姿勢を貫いています。

ツバルの現状を訴える、ツバルの首相代理 Enele Sosene Soponga氏

日本、COP16で2度目の化石賞第1位

12月8日午後11時のカンクンより「虫博士」です。
温室効果ガス削減の交渉に後ろ向きな発言をした国などに、国際NGO「CAN」が贈る「今日の化石賞」、またも日本が受賞です。
各国の首脳とともに日本の松本環境大臣もカンクン入り。各国のNGOとの対談の場でも、大臣は京都議定書の日本のこれまでの姿勢をまったく変えなかったというのが受賞理由です。
日本の1位が発表されました!不名誉です…。
奥は2位と3位を受賞したアメリカ合衆国。
表彰台には、その国のNGO代表がいれば国に替わって上ります。



今日は公開の会議で温暖化で国土が海に沈もうとしているツバルを含む各国の首相など発言を聞いたり、パン・ギムン国連事務総長が挨拶した途上国への支援や炭素税など財政関係のフォーラムを聞いた後、経団連主催のサイドイベントにも参加。さらに化石賞授賞式にも行ってきました。

サイドイベントについては代表団メンバーが投稿します!

2010年12月8日水曜日

COP16開催地、カンクンに到着

COP16派遣代表団のルクセンブルク(H.M)です!
日本時間の6時頃カンクンに到着しました!

カンクンは高級なリゾート地といった感じです。空港からホテル街へ向かう道でCOP16の大きなポスターが何枚もありました。
ホテルに着いたのは良いものの、色々とトラブルがあり大変でした。長旅の疲れから、現在部屋でぐったりしています。
少し休んで明日からの予定など確認したいと思っています。

2010年12月7日火曜日

アラスカの山火事が温暖化により増加

アメリカ、アラスカ州での山火事の数が近年大幅に増えているそうです。カナダとアメリカの研究グループが、科学誌「ネイチャー・ジオサイエンス 電子版」の12月5日付に発表。
アラスカなどの地域では温暖化により山火事が増えるとの予測があり、この研究グループは10年間アラスカで山火事を調査。結果、10年間で発生数が2倍になっていることがわかりました。

山火事では樹木だけでなく、林床の植物や枯葉、泥炭なども燃えてしまいます。このため、全体では森林が蓄えるよりも多くの炭酸ガスが大気中に放出されているといいます。温暖化もさらに加速されることになります。


さてCOP16会場にいるNGOからの発信によると京都議定書延長に反対しているのは日本・カナダ・ロシアだけとのこと。しかもカナダやロシアも折れる可能性があるということで、日本が孤立する可能性もあるそうです。
大手排出国のアメリカや中国に排出削減を義務付けることは必要ですが、それがないから京都議定書を延長しないというのはおかしな話だと思います。

2010年12月6日月曜日

COP16に参加します!

昨年、COP15にも参加した「虫博士」です。
現地ではニュース発信と記録用の撮影などを主に行う予定です。参加にあたっての思いを投稿します。

現地に着く12月7日からは閣僚級会議が始まります。会議そのものは非公開のものが増え、傍聴はできないかもしれませんが、政府に働きかけるロビー活動や NGOの取り組みに参加してきます。ふたたび世界の人々の「温暖化を止めたい」という思いやエネルギーに触れることができるのは楽しみでもあり、身の引き締まる思いでもあります。

なにが話し合われて、なにが問題になっているのか。本当に進むべき道はどこなのか。日本のマスコミは正しく伝えないこともあるというのは、コペンハーゲンで痛感しました。また、個別の争点はややこしい話が紹介されることも多い気がしています。わかりやすく日本に伝えながら、会議の前進のために各国政府、特に日本政府への働きかけを行いたいと思っています。

2010年12月5日日曜日

世界平均気温、観測史上最高に

今年1月から10月までの世界平均気温が観測史上最高となりました。11月・12月の拝金気温が大きく下がらなければ、今年の年間平均気温も観測史上最高となる可能性が高いとのこと。世界気象機関(WMO)が発表。
過去10年間の平均気温も2001年から2010年が最高を記録。WMOはCOP16の場で「温室効果ガスの排出増がなければこのような上昇はない」として、各国に早急な地球温暖化対策が必要だと呼びかけました。

日本では京都議定書延長をめぐって途上国と先進国が対立しているかのような報道がありますが、実際に強硬な態度を示しているのは先進国でも日本とカナダなど少数です。(アメリカは京都議定書には不参加)EUはそもそも延長を主張しています。報道が本当に正しいかどうかも含めてよく見て、本当のことを知らせていく取り組みが大事になります。日本政府を積極的な姿勢に変えるために、ぜひ世界の報道にも関心を払い、ニュースなどが間違っていると思ったらマスコミにも意見を送りましょう。

COP15の10万人の市民パレード、日本ではまるで全体が暴徒と化したともとれるような報道がなされましたが、実際にはそもそも妨害するために入ってきた一部の団体の行動でした。現地でパレードに参加しましたが、破壊行為があったと知ったのは4時間以上歩いたパレードの終点についてからでした。平和的で笑顔と「温暖化を止めよう!」という世界の人々の思いを交流できたパレードさえ、その一部だけを取り上げて全体であるようにも取れるような報道をする、残念ながら日本のマスコミではしばしばあることです。真実を見抜く目を持ちたいと思います。

2010年12月4日土曜日

FoE、サイバーアクションを呼びかけ!

今日、渋谷でのグローバルアクションにも中心的に参加した環境NGOのFoEが、菅首相にメッセージを送ろうという緊急サイバーアクションを呼びかけています。
当該ウェブページの記事を転載してお知らせとします。

***転載ココから***
菅総理大臣に、メールしよう!

カンクンにいるFoEのキャンペナーは、今、日本政府に対してロビーイングを行っています。日本の菅直人総理大臣に対して私たちも声をあげていきましょう!

アクションは簡単です。
(1)以下の「サンプルメッセージ」をコピーします
(2)首相官邸のウェブサイトを開き、「ご意見・ご要望」の欄に(1)でコピーした文章を貼り付けます
首相官邸ウェブサイト:日本語で新しいウィンドウが開きます
https://www.kantei.go.jp/jp/forms/goiken_ssl.html
(3)その他の項目を記入し、送信ボタン、続いて確認ボタンをクリック!
その他の項目は、無記入でも送信可能です

アクションをしたら、FoE Japan(softenergy@foejapan.org)にもお知らせください。こちらをクリックすると、件名入りのメールボックスが立ち上がります。そのまま送信してください。
メッセージなどもあわせて送っていただければ、後日まとめて公表します(個人情報は公表しません)。
菅総理大臣が何通のメールを受け取ったか公表し、さらにプレッシャーを与えることにつなげます。

※English:FoE英国でも同様のサイバーアクション「Tell Japan to stop wrecking the climate talks」を行っているので、そちらからもご参加いただけます。

日本人のサイバーアクションご参加者の皆さんへ

以下はFoEインターナショナルによるサンプルです。ぜひ「あなたの一言」を加えて菅総理大臣に送りましょう。
 (例)
 ・「地球温暖化対策基本法」を早急に成立させ、2020年に25%削減の目標を京都議定書と国内で約束してください。
 ・京都議定書の第2約束期間の目標を達成するために、地球温暖化対策税や再生可能エネルギーの全量買取の制度設計を速やかに行い、施行してください。

サンプルメッセージ

<テーマ>
温暖化交渉をつぶさないで!

<ご意見・ご要望>
菅直人総理大臣

カンクンで行われている国連気候変動交渉の開会式において、日本が京都議定書を拒絶する意思を発言したことを、とても残念に思います。先進国が排出し続ける温室効 果ガス排出を止めることができる唯一の国際法にもかかわらずです。

この議定書は、日本で採択されたものです。1997年に国連気候変動枠組み条約(UNFCCC)の第3回締約国会議(COP3)が行われたとき、日本は議長国としてリーダーシップを示してくれました。にもかかわらず、このような発言をされたことは、大変残念です。

カンクンでの国連気候交渉は、交渉プロセスに信頼を取り戻すという、とても重要な課題を持っています。先進国がとる行動は、参加国間の信頼を再構築するための鍵となるのです。

しかしながら、日本の発言は、歴史的な排出責任を放棄しているように聞こえます。さらに、交渉を混乱させ、カンクンで必要とされる前進を脅かします。

私は日本政府に対し、もう一度立場を考え直し、気候交渉の足を引っ張ることをやめることを求めます!日本を含む全ての先進国に対し、京都議定書の第2約束期間に、カーボンオフセットなしで2020年までに排出量を40%削減することを約束するよう強く求めます!
***転載ココまで***

2010年12月3日金曜日

温暖化の実際の影響など

COP16の開催前後に発表されたさまざまな情報を紹介します。

EU機構のひとつ欧州環境庁は、2009年の平均気温は世界平均では産業革命前とくらべ0.8度上昇、ヨーロッパでは1.3度上昇で世界平均を上回ると発表。
氷河の消失や海面上昇という事実のほか、2003年の熱波(7万人が死亡)を上回る規模の熱波が起こる可能性も指摘しています。

貧困を克服し原因をとりのぞくため活動する国際支援団体オックスファムは、今年の異常気象による犠牲者はすでに2万1千人で、昨年の2倍以上に達していると報告。COP16に対し対応を求めています。

温暖化との関連は不明ですが、今年はハリケーンの規模も発生数も最も活発だった年の一つでした。
被害がなかったのはたまたまアメリカ沿岸に接近・上陸しなかっただけ。一方でメキシコには甚大な被害を与えました。

2020年までに温室効果ガス排出量を最大約40%削減の目標を持つブラジルは、アマゾン熱帯雨林の今年7月までの年間伐採面積が昨年7月までの1年に比べ14%減少したと発表。
ブラジルは森林保護で目標の大半を実現しようと考えています。

日本政府の言動に批判が集まるのは根拠のないことではありません。COP15では最終盤にインドや中国などが削減目標を提示しました。これは国際合意をつくるためになんとか交渉を前進させようという姿勢の現れだったのだと思います。EU諸国などが、目標を示すとともに実際の行動で排出削減を進めてきたからこそではないでしょうか。

日本政府の姿勢を変えられるのは日本に暮らす私たちだけ。世界の流れを変える行動に参加するチャンス!明日、渋谷センター街で11時からのグローバルアクションにぜひ参加を!

2010年12月2日木曜日

排出削減の例など

日本で温室効果ガス排出を減らす、具体的な対策のひとつは、発電燃料の転換です。
1990年から2008年までに石炭火力発電によるCO2排出量が急増。しかし石炭は、同じ量の発電のために天然ガスの2倍近くのCO2を排出します。
火力発電の燃料を石炭から天然ガスにするだけでも8600万トン、日本全体のCO2排出量を7%も削減できます。
日本のすべての家庭でエアコンをまったく使わなくても、減らせるCO2排出量はわずか2%。一人ひとりの努力を本当に有効にするためにも、大口排出先への規制が不可欠です。
燃料の転換には設備投資は必要ですが、電力企業の資産からすれば大きくはありません。また、転換したら一定程度減税するなど、国による政策的支援も検討できるでしょう。

温暖化対策に反対している排出大手企業がしばしば口にするのが「国際競争力」という言葉。しかし世界はCO2削減に向かっており、ドイツなどはそこに新たなビジネスチャンスを見出すからこそ、政策も強化しています。今後の世界での「競争力」を考えれば、やるべきことは明らかだと思います。
この点で、岩波新書「低炭素経済への道」(諸富徹・浅岡美恵共著、720円)は、世界経済や将来の経済発展の観点も含め、日本の企業や政府がどうすべきかを提示しています。また、「これ以上削減はできない」「温暖化対策が経済を破壊する」というような議論にも、具体的な根拠をわかりやすく示して明快に反論。今年4月に出版された、COP15とそれ以降の情勢も踏まえています。オススメです!

2010年12月1日水曜日

日本、COP15に続きまたも化石賞1位受賞!

気候変動枠組み条約締約国会議に参加する国際NGO CAN が、国際交渉に水をさすような言動をした国々に贈る「今日の化石賞」。会議で途上国側が京都議定書の延長をもとめたことに対し、日本が「議定書の延長にはいかなる条件でも受け入れられない」「延長が決まっても、13年以降の削減目標を示さない」と発言したのが受賞理由のようです。30日の受賞国は日本のみ!2位、3位がなかったということは、他の追随を許さないほどひどいということだったのかもしれません。「京都議定書を殺そうとしている」と書かれています。
なお、初日29日にはカナダが1~3位を独占。この1年間の動向に対してでした。

URLはたぶんPC専用。
http://www.climatenetwork.org/fossil-of-the-day
こちらは授賞式の動画。

「京都議定書の生まれ故郷なのに!」と批判されていますが、当然です。

京都議定書は先進国だけに削減義務を課しています。日本が反対する理由は「一部の国だけが義務を追う体制を固定化する」「全ての国が取り組む体制が作られないと意味がない」などですが、途上国には「大量の温室効果ガスを出してきたのは先進国なのに」という思いがあるのは当然のこと。まず先進国が削減を実現する態度を示してこそ、途上国も納得するのではないでしょうか。そうした道を探求せず、頭から「延長は反対」というのは交渉を妨害する態度に他なりません。
日本政府に市民の意見を示しましょう!12月4日のグローバルアクションにはぜひ参加を。

次回以降のニュースでは、日本で実際に削減ができるのか?などについても、改めてお知らせしたいと思います。
温暖化問題がよくわかる書籍の紹介などもできれば…!

12月4日、気候変動グローバルアクション!

いよいよ開幕したCOP16。合意に前向きな動きを作り出すには、市民のアクションが不可欠です!今回はMAKE the RULEキャンペーンのグローバルアクションを紹介します。
かんさみメンバーとともに参加したい方はkannsami@yahoo.co.jpまでご一報下さい。

~以下、MAKE the RULEキャンペーンのウェブサイトから~
(URL:http://www.maketherule.jp/dr5/node/1285)

12月4日、気候変動グローバルアクション。渋谷でシロベエとハイタッチ!
日本が温室効果ガスを確実に削減するための法律の制定を求めるMAKE the RULEキャンペーンは、グローバルアクションに参加します!
メキシコ・カンクンで11月29日~12月10日まで行われる国連の気候変動防止会議(COP16)期間中、世界で同時にアクションを行います。温暖化をとめたい、という市民の声を、日本政府と各国政府に届けましょう!

<日時>  12月4日(土)11:00~12:00 
<場所>  渋谷センター街の入口付近を予定
<内容> シロベエ実行委員長とスタッフが、みなさんに温暖化防止のための国際交渉の前進と、日本国内の取り組みの前進を訴えます。ぜひみなさん、温暖化防止の思いを込めてシロベエや私たちとハイタッチしましょう!
<参加団体・参加者> MAKE the RULEキャンペーン実行委員団体・賛同団体

※参加は自由です、当日直接お越しください。
※当日の天候・事情等により変更の可能性があります。
※当日のボランティアスタッフも募集しています!行動をしてみたいという方、ぜひご参加ください!
<主催>    MAKE the RULEキャンペーン実行委員会 
<問合せ> FoE Japan 中根、吉田 TEL: 03-6907-7217 jimjim@maketherule.jp